肩こり
◆肩こりとは
首から肩・背中にかけての筋肉がこわばり、だるさや疲労感、ときに痛みを感じる症状が肩こりです。関係する筋肉は様々ありますが、首の後ろから肩、背中にかけて張っている僧帽筋という幅の広い筋肉がその中心となります。厚生労働省の「国民生活基礎調査(平成28年)」によると、女性が感じる自覚症状の第1位が肩こりで、男性でも第2位に上がっており、日本の国民病とも言える疾患です。
◆肩こりの原因
肩こりの原因や種類は、生活習慣によるものから内臓疾患に至るものまで多岐に渡ります。
一般的には、首や背中が緊張するような姿勢での作業など長時間連続して同じ姿勢をとったり、運動不足などが主な原因となります。精神的なストレスや冷房などによる冷えも要因となることがあります。
◆肩こりの症状
首から肩・背中にかけての筋肉がこわばり、だるさや疲労感、ときに痛みを感じる症状が出て、頭痛やめまい手のしびれなども肩こりが原因で起こることがあります。
肩こりは、生活習慣が原因となることが多いですが、他の病気が原因で起こることがあります。
<生活習慣が要因となる場合>
姿勢の悪さや運動不足・ストレスが要因となって、肩こり痛が起こりやすくなります。
この時、頭痛やめまいを伴うこともあります。ただ、生活習慣を改善することで回復が見込めます。
<他の病気が要因となる場合>
五十肩(肩関節周囲炎)や頚椎症・椎間板ヘルニアなど肩や首周りの関節や神経の病気が原因で肩に強い痛みが出ることがあります。
また、糖尿病や高血圧症など内科系の疾患も肩こり痛とともに頭痛やめまい、吐き気を伴うことがあります。
◆肩こりの診断・検査
触診による肩回りの関節の可働域や僧帽筋の痛みや緊張の度合いを確認します。
そして、レントゲン(単純X線検査)検査による画像診断を行います。
◆肩こりの治療
・薬物療法
筋肉の緊張をほぐすために筋弛緩剤や痛みを和らげるために非ステロイド性消炎鎮痛薬を使用します。
また、症状が改善しない場合は神経ブロック注射を行うことがあります。
・理学療法
筋肉の血流を改善するマッサージ療法や、超音波や温湿布を用いて患部を温めることで血行を良くする温熱療法、肩こりに効くストレッチや日常生活の指導を行う運動療法が挙げられます。
◆肩こりの予防
- ・筋肉の低下を防ぐため適度な運動をする
- ・同じ姿勢を長時間続けない
- ・入浴や蒸しタオルを使って体を温めて血流を良くする