骨粗鬆症
骨粗鬆症とは
「骨の量(骨量)が減って骨が弱くなり(スカスカになり)、骨折しやすくなる」病気です。骨の強度には「骨密度」と「骨質」が関係しています。「骨密度」と「骨質」を見直すことで、骨折を防ぐことが骨粗鬆症治療において重要視されています。

骨粗鬆症と骨折
骨折を起こしやすいのは肩、手首、股関節、背骨です。
肩、手首は手術が必要になる方は30~40%ぐらいですが、股関節はほぼ100%の方に手術が必要になります。
股関節を骨折すると歩行能力が低下し、車イスや寝たきりの生活になってしまうこともよくあります。
背骨の圧迫骨折はずっと続く、治らない慢性腰痛の原因にもなります。圧迫骨折の数が1個から2個、2個から3個と連鎖して増えていき、数が増えるに連れて、余命が短くなり、死亡率が上昇していきます。
骨粗鬆症の治療
骨粗鬆症は治療が大切な病気です。今は自覚症状がなくても、次のような危険因子、気になる症状がある方はいつでもご相談ください。
骨粗鬆症になりやすい人の特徴
- 高齢者
- 閉経後の女性
- 家族に骨粗鬆症になった人がいる
- カルシウム不足や栄養の偏り
- 屋外に出る機会が少ない
- 運動をあまりしない
- 喫煙者、お酒を習慣的に飲む
- やせすぎている、もしくは過去に極端なダイエットをしたことがある
- ステロイド薬を長期服用している
- 糖尿病や関節リウマチ、甲状腺機能亢進症、45歳未満の早期閉経など
骨粗鬆症の発症リスクを上げる病気をもつ方
こんな症状が出てきたら・・・
- 背中や腰が痛む
- 背中や腰が曲がってきた
- 身長が縮んだ
- ちょっとしたことで骨折した
- 洗濯物を高いところに干せなくなった
- 高い棚に手が届かなくなった
- ちょっとした段差などで、つまずいたり、転びやすくなった
骨粗鬆症の診断
問診、診察で得られた情報、骨密度検査や血液検査・尿検査などの検査結果から総合的に診断します。
X線検査(レントゲン)
主に胸椎と腰椎を撮影し、骨折の有無、骨折による変形や骨粗鬆症による変化などを判定します。
骨密度検査
日本骨粗鬆症学会のガイドラインにて推奨されている「腰椎・大腿骨を用いたDEXA(デキサ)法」を用いた測定を行います。
血液・尿検査(骨代謝マーカー)
X線や骨密度検査で骨粗鬆症と診断されたら、血液検査・尿検査を行います。
骨は古い骨を壊す「骨吸収」と新しい骨をつくる「骨形成」という代謝を繰り返しています。その代謝の際に骨から放出される物質を血液検査や尿検査で測定します。これを骨代謝マーカーといいます。この検査を行うことで治療薬の選択や治療効果の判定をします。
骨代謝マーカーは、ほかに骨のビタミンD不足状態を調べることや、骨粗鬆症と似ている病気を区別することにも役立ちます。
骨折
転倒や衝突などの大きな負荷を加えてしまうことで、骨が折れてしまうことを「骨折」といいます。
ヒビが入ったり、骨が欠けたり凹んだりすることもあります。X線検査(レントゲン)を行い、骨折した箇所や折れ方により治療法を考慮します。手術が必要な場合など、診断によっては近隣の病院へ紹介状を記入します。
骨折は治療が遅れると骨が変形したり、骨がつかなくなったりするリスクもあり、痛みが慢性化することもあります。「骨折したかも」と心配でしたら、一度受診されることをおすすめします。
こんな時は骨折の症状かもしれません・・・
- 痛みが激しく、冷や汗が出る
- 腫れや皮下出血がある
- 痛くて動かせない
- 変形したり、くぼんだりしている
- 患部を動かすことで激しい痛みが生じる